ディープダイビングライセンス-器材とテクニック-予習復習用

ディープダイビングライセンス-器材とテクニック-予習復習用

ディープダイビングはアドバンス講習では受講必須になります。
ディープダイビングへの好奇心や興味は皆さん少なからずあると思います。
未知への好奇心、憧れへの挑戦心が好きな方も多いと思います。実際にダイビングの幅も広がると思います。
ディープダイビングでは深い所にしかいない生物や違う風景の撮影など、沈潜探索など様々な魅力があります。

しかし、リスクも伴います。そのためディープダイビングには簡単なものとして、いくつもの目的を合わせるのではなく余裕のあるプランを立てて実施してみてください。

ゴール:ディープダイビングの予習復習ができます。

項目が長いので2ページにわたってご案内いたします。範囲
ディープダイビングの危険性と減圧症を予防>>>>

ディープダイビングの範囲

ディープダイビング2

オープンウォーターダイバーの水深

オープンウォーターダイバーの水深は18mまでとされています。これににも理由があります。
主に無限圧限界やエアーの消費量、窒素酔のかかりにくい水深です。

20mを超えなくても充分楽しいダイビングはできます。目的が在ればディープダイビングを実施する。こういう心構えで良いと思います。

ディープライセンスの水深(アドバンスダイバー含む)

レジャーダイビングの最大水深は30mが推奨値となっています。自己責任の限界地で40mとなっているようです。
30mを超えた場合無限圧限界時間が極端に少なくなります。
例えば水深30mの無限圧限界時間は約15分です。

そのほか窒素酔いリスクも高まりますし呼吸ガスの消費量も陸の4倍のスピードでなくなる計算になります。
ナイトロックスを使用する場合、酸素中毒予防の観点で最大水深が30mと定めてあります。
リスクについては次ページでご案内いたします。

ディープダイビングの器材

アドバンス講習必須項目 ディープダイビング

ダイビング用の通常器材と+したい器材

レギュレーター
最近のレギュレーターで在ればどのレギュレーターでも充分な性能があります。アンティーク器材をご利用の方の場合水深が深くなると呼吸抵抗が増す場合が多くリスクがある事を理解しましょう。どのレギュレーターにも言えることですがディープダイビングでは水底からの浮上に時間がかかる事がありますのでレギュレーターのトラブルが無いように普段からのメンテナンスが需要となります。

保護スーツ
保護スーツはウエットスーツ、ドライスーツどちらでも良いでしょう。浅い水深と比べると水圧が高くなるディープダイビングではネオプレン生地は圧力で薄くなり保温力が低下します。また、一般的に水深が深い方が水温が下がる事が多いので事前の情報収集で適切な保護スーツを着用します。必要に応じて、フードやグローブ、インナーなどを着用すると快適な装備になります。

予備の空気源
オクトパス類の装備を必ずしましょう。エアーのトラブルが発生したときに直ちにサポート出来るように準備が必要です。オクトパスの色の確認やエアシェアを受ける位置確認などバディー間で行いましょう。普段使わないオクトパスですが正常に動くかの動作チェックも日ごろから行いましょう。

ゲージ類
残圧計、水深計、コンパスの確認を怠らないようにしましょう。近年ダイブコンピューターの普及もあるのでディープダイビングでは必須携帯します。潜水時間の確認でエアーが充分持つか?無限圧限界に余裕はあるか?ダイビング後、平均水深が深く成り過ぎないように水深のコントロールをします。

水中ライト
深く行けば行くほど暗くなります。オープンウォーターでも学んだ色の消失も強くなります。水中ライトがあると色鮮やかな世界を見ることが出来るようになります。また、ライトによるコミュニケーションも可能になります。

連絡器材
水中ノートやスレートは連絡手段で用いたり情報を記録するにも便利です。音により連絡手段として、タンクを叩いて音を出す道具、エアーで鳴らすホーンもあります。

酸素、AEDキッド
緊急時に早期の酸素吸入が可能となります。減圧障害には有効な応急処置になります。取り扱いにはトレーニングが必要になります。一緒にファーストエイドキッド、AEDキッドの場所も把握しておきます。

その他の器材
ナイフやライン、シグナルフロートも携行するといいでしょう。ディープダイビングでは減圧症の問題があるため無駄なく安全停止位置まで行く必要があります。水中拘束からナイフを使い脱出したり、安全停止を行いやすくなるフロートとラインの使い方も合わせて習得するといいです。

ダイブコンピューター

ダイバーとして安全を意識するのは当たり前のマナーです。水深計、ダイバーウォッチ、コンパス、残圧系、水温系など沢山携行するよりそれらが一つにまとまったダイビングコンピューターを携行することは非常に良い選択です。水深や無限圧限界時間をアラームや振動で教えてくれるので安全性が高まります。ダイビングコンピューターは持つだけなく見方、扱い方も重要です。基本を確認していきましょう。

ダイビング前
プランモードの確認、高所潜水モード、ナイトロックスモード、エアーモード、ボトムタイマーなど
データー表示がどこにどんな表示が出るのか確認しておきましょう。また、ダイビング前のブリーフィングを聞いて置くこともダイビングコンピューターを使う上で重要です。

例えば最大水深は25mですよと説明が在れば、水深をキープできるようにコンピューターを見ながら水深を変更する必要がありるかもしれません

例えば、潜水時間が40分と説明を受ければ、水中で潜水時間が30分、残圧100であれば余裕で帰れると思いますが
潜水時間30分で残圧30であればすぐに浮上が必要な時間になります。

ブリーフィングを聞いて、コンピューター表示を理解する事は重要なことです。

ダイビング中
水深、潜水時間、無限圧限界時間、現在の平均水深、その他警告表示の有無
こまめにチェックして安全に心がけます。

安全停止/減圧停止の指示
安全停止はダイビング後半に水深6mまで戻ってくると自動でカウントされる機種が多いです。
減圧停止は無限圧限界時間をオーバーしたときに自動でカウントしてくれます。必要な水深に必要な時間の表示が出ます。ダイビング時間が長くなりますので残圧に注意が必要です。

その他、急浮上のペナルティーやディープストップなど指示を出す機能が付いている機種もあります。

浮上速度警告
浮上速度が早いと警告マークやアラームがなる機種もあります。
左手に付けているとBCやドライスーツの排気の時に急浮上のアラームが鳴る場合が多くあります。
右手に付けると不必要な浮上速度警告を発生させずにダイビングができる可能性が高くなります。

ダイビング後
ログモードの確認
ログブックにエントリー時間、エキジット時間、最大水深、平均水深、潜水時間、水温が表示されます。
ログを遡って表示ができ、パソコンに接続して詳細を分析できるものもあります。

残留窒素排出時間の表示、水面休息時間の表示、飛行機搭乗までの待機時間の表示

メーカーにより様々な機能があります。

注意(ここ大事です)

ダイビングコンピューターはあくまでも統計による参考データーであることを認識してください。
ダイバーには個人差が大きくあります。ダイビングコンピューターを100%信用して限界ギリギリのダイビングは避けて余裕のあるプランを立ててください。メーカーや機種によって表示内容は異なります。ダイビングコンピューターは一人一台で使用してください。一本目は私、2本目はあなた使っていいよ。こんなのは絶対禁止です。個人の泳いだ水深により体にたまる窒素はだいぶ変わってきます。

例えば平均水深が1mの違いは大きな意味を持ちます。たった1mの違いで減圧症の安全マージンがあるのか、減圧症の発症例に当てはまってくるのか分かれ目になります。

特別な器材

安全性の担保のために使う器材のご紹介です。皆さんも見たことがあるかもしれないですね。もちろん普通のダイビングでも使えるものですのでが使用方法を覚えておきましょう。

緊急用空気源
安全停止や減圧停止の時にエアー切れとなれば浮上を余儀なくされます。そうすると窒素の排出が間に合わなくなる可能性もあります。そこでエアータンクを水中に用意しておいて安全停止中の緊急浮上をしなくてよいように予備として使います。常用するものではありません。あくまでイレギュラーで使うものとして普段からエアの管理をしっかりしましょう。

減圧停止バー
ボートダイビングなどで見られる装備です。水中5m程の所に、みんなが掴まれるバーを用意してあります。グループの全員が同じ水深で安全停止が出来るようになっています。

予備ウエイト
ダイビング後半はタンク内のエアが少なくなりタンク自体が軽くなるためウエイトが足りなくなることがあります。その場合に1kg程度ウエイトを追加してあげれば安心です。緊急用空気源や減圧停止バーなどと一緒に置いてあると便利です。

タンク

タンクは通常10L前後の容量のものを使います。一般的なレジャーダイビングでは無限圧限界内で潜るのでこのくらいのエア量が在れば充分足りる事が多いのです。しかし個人差でエアの量をもう少し使いたい方様に12Lや14Lのタンクを用意することもあります。無理に10Lタンクで足りるかな?どうだろう?と心配するなら大容量のタンクを使って安心感を得ることもトラブル防止になると思います。


ディープダイビングに限らずダイビングは器材に依存すすレジャーです。破損した器材やメンテナンス不足の器材はトラブルの原因となることがあります。良くメンテナンスをされた大ビング器材はストレスを一つ消し去ってくれる頼れる存在になります。

さらにダイビング器材を所有して使い慣れてくれば、ちょっとした器材の不調やトラブルに気が付けるようになります。さらにストレスなく取り扱いも出来るようになってきます。

ディープダイビングのテクニック

ディープダイビング アドバンス講習1

潜水計画

体調の管理
通常のダイビングと同様です。体調は万全にしておきましょう。ダイビング前の喫煙は避けるべきです。食事は無理なく適度に取りエネルギーの補給しておきます。寒さ対策にもなります。喫煙はこの後ご案内いたします。
睡眠時間の管理、普段からの運動習慣も安全性を高める事になります。

反復潜水
原則として、1本目に深いダイビングを行います。後のダイビングは前のダイビングより浅くなるように行います。また水面休息は充分に取ってください。90分以上の水面休息時間が取れるようにしてください。減圧症の発症率がグンと下がります。

平均水深とプロフィール
1本のダイビングを40~45分程度、平均水深を14m程度とします。2本目以降は平均水深も浅くなるようにします。

ダイビングプロフィールは前半に深く後半に浅く成るようにします。ダイブタイムの半分までに最大水深からの離脱を行ってください。

後半のダイブプロフィールは前の時間より深くならないようにダイビングを楽しんでください。

緊急体制の確保
事故は不意に起こる場合もあります。事故が起きた時のシュミュレーションは必要です。
事故者を助ける事と並行して、救急車の手配、酸素やAEDの準備多岐にわたって準備が必要で人でも必要になります。
どの様な緊急手順があるのかが分かると自分が協力できる場所が分かるようになります。

海況の判断
ディープダイビングに限らず海が荒れている時は当然注意が必要になりますが、水深を下げると水中は安定してきます。うねりは少なくなりますがエントリー/エキジットや安全停止が安全に行えない可能性があればポイントを変更、または日程を変更も視野に入れなければなりません。

エアーの消費量
深度が増せばその分空気消費量が多くなります。一回の呼吸での多くのタンク内の空気を使うので残圧のチェックを頻繁に行うようにします。特にディープダイビングの場合、深場での折り返すタイミングや残圧の申告など打ち合わせをしておきましょう。

ウエイト調整と適正ウエイト

ウエイトは様々な要因場面で適正ウエイトに調整しなければなりません。ここでは安全停止を行う推進にポイントを置いてみましょう。

アルミタンクとスチールタンク
素材の違いで浮力に大きな影響を与えます。比重、硬度の異なるアルミとスチールでは同じ要領でも水中での浮力が変わります。おおよそ2~3kg程度変わります。

重要なのはタンク内の残圧です。フル充填されているタンクはどちらも沈みます。しかしカラのタンクは違います。スチールタンクは沈みますがアルミタンクは約半分程度空気が排出されると浮いてきます。

また金属の硬度の差があり、スチールタンクは小さく作ることができますがアルミタンクはスチールと比べて壁を厚くしなければタンクの強度が保てないため内容量が同じでも大きめのタンクにになります。そのためスチールタンクよりアルミタンクのほうが浮力が大きいのです。

潜降の・浮上のテクニック

潜降
潜降ラインががあれば利用しましょう。特に流れのあるポイントではグループの離散を防ぐためにも有効です。
耳抜きのし易さを考えると立ち姿勢で潜降をするフィートファーストをマスターしましょう。フィートファーストの利点は耳抜きのしやすさと潜降スピードの調整のし易さ、周りが確認しやすい所にあります。

浮上
浮上はコンピュータを確認しながら毎分9m以下のスピードで浮上するようにします。すいしん5mで安全停止を行います。潜降ラインや浮上用のフロートとラインを使って浮上するのも手助けになります。
ダイビングコンピューターを右手に装備すれば左手でインフレーターを操作しながら水深と浮上スピードを確認しながら浮上出来ます。

呼吸法

ダイビングで行う通常のゆっくりとした大きな呼吸をします。しかし、何らかの原因で呼吸が乱れたれ息苦しさを感じたらまずは
止まることです。呼吸のペースが乱れたままダイビングを続けるとエアーの消費が早まったり、思わぬトラブルの原因となります。止まったあとは息をしっかり吐き切る深呼吸をすることで落ち着きを取り戻します。どうしても息苦しさが取れない場合はダイビングの中止をして浮上しましょう。

ゲージのチェック

こまめなチェックが必要です。空気消費量は水面と水深30mを比べると4倍になります。当然残圧確認する回数も多くしなければなりません。浮上にも多くのエアーを使うことが多いです。残圧をチェックして必要があれば普段のダイビングより潜水時間の調整、折り返す残圧に普段より余裕がひつようでしょう。ダイビング後半のコース調整も空気使用量を減らすポイントです。

中性浮力

中性浮力を上手くと取ることで呼吸も安定し落ち着いた行動がとれます。浮力うまくコントロールするにはBC内の空気を宇k幕調整することです。しかし過剰に行うとであーの消費を早める可能性もあります。また、ばたばたと大きく強いフィンキックを続けるとすぐに体力がなくなる他、早い呼吸となりエアの消費がさらに早まりますので気を付けましょう。
ディープダイビングには中性浮力を確実にとることが不可欠なのです。

安全停止

水深5m付近で3分間の浮上を停止し体内窒素量を減らします。安全停止をしないで浮上すれば減圧症になるというものではありませんが、予防という意味では重要なテクニックです。ディープダイビングでは必ず実施してください。ディープダイビングの実施の仕方によって停止時間の調整も減圧症予防に有効です。深すぎる、無限圧限界ギリギリの場合安全停止を5分~10分というように浅い水深で窒素を徐々に抜いていくと安全マージンを上げるテクニックです。

減圧停止

浮上をすることで体内に蓄積できる窒素が許容量を超え、そのまま水面まで浮上すると呼吸による窒素排出が間に合わずに減圧症を引き起こす可能性があります。そのような場合ダイブコンピューターを使用していれば減圧表示が現れます。その法事が消えるまで浮上をしてはいけません。しかしその指示はあくまで目安であって、ダイブコンピューターの指示に従ったからと言って絶対に安全の保障が出来るわけではありません。ダイブコンピューターの指示通りダイビングを行えば100%安全と思わないでください。ダイブコンピューターは警報機である。と思って使ってください。火災警報器では火事を防止はできません。早く気が付いて対処が出来るようになる。そんな位置づけだと思ってください。

レジャーダイビングでは減圧停止を伴うダイビングは行わないでください。
しかし何らかのトラブルで減圧停止を余儀なくされた場合は確実に減圧停止を行ってください。
この際タンクの残圧に注意が必要です。
ディープダイビングの実施で減圧停止が出ているということはタンクのエアも多く使っているはずです。その後不意に水深12mで数分の減圧停止その後9m、6m、3mと都度の減圧停止必要な場合があります。無限圧限界を大幅にオーバーした場合トータルの潜水時間が非常に長くなり1本のタンクでは当然足りません。エア切れの危険性も高まります。

計画した減圧停止ならその分の呼吸ガスを持って行きますが、予定外の減圧停止ではエアのマネージメントを出来ずに浮上しなければならない場合もあります。

減圧停止が出来ずに浮上した場合

エアのマネジメントだけに限らず、減圧停止が寒くて耐えられない、ウエイトが足りなくて浮いてしまった。そのような場合の次の行動のです。

いち早く、なるべく速く酸素吸入を受けられるようにしてください。伊豆の多くダイビングポイントには酸素が用意してあります。酸素吸入を開始して、施設の管理者、グループのリーダーに使用していることを報告してください。必要に応じて救急車の手配をしてもらってください。最厚施設に搬送して再圧治療の必要があるかもしれません。

酸素の取り扱いは緊急酸素プロバイダーの講習を受けることが必要です。酸素器材の取り扱いと酸素使用方、リスク、有効性を学ばなければなりません。

減圧症の疑いがある場合

減圧症を疑う症状が出てきた場合でも対応は同じです。行動を迷ってはいけません。

出来るだけ早くの酸素吸入を開始して、出来るだけ早く再圧治療を受けることです。

減圧症は時間がたてば症状が悪化していきます。疑いがある場合、かもしれないと思ったときはすぐに行動してください。減圧症は後遺症が残る可能性があります。いち早く治療を開始することで完全回復、後遺症を残さず、または後遺症が最小限に抑える治療出来る可能性が高くなります。

緊急酸素プロバイダー講習

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ディープダイビングライセンスのテクニック編 まとめ

  • 18mより深く30mまでがディープダイビング。リスクがある事を知る
  • ダイビングコンピューターを使う
  • 潜水計画を立てる。エア、水深、潜水時間のマネジメントをしよ
  • 中性浮力、泳ぎ方、呼吸など基本スキルが満足に出来るようになってから実施しましょう