3層構造
ブルチゴムをリップストップナイロンでサンドイッチしてみました。
防水はブルチゴムが一枚で頑張っています。
リップストップナイロンが保護膜になり防水面のブルチゴムを傷から守ります。傷も付きにくいリップストップナイロンですが表面の傷は防水になんら影響ないのです。
リップストップナイロンって何?
リップスストップナイロンは「Rip(裂ける)」ことを「Stop(止める)」という意味で耐久性が有りそうな名前ですよね。
その正体はは太さの違うナイロン繊維を折り合わせた生地
(クローズアップ写真を見ると格子状に太い補強糸が編みこまれている生地だと分かります。)
リップスナイロンの特徴
- 軽量:通常のナイロン織物より軽くて薄い
- 丈夫さ:ナイロン繊維なので丈夫さ折り紙つき!
- 耐候性:太陽の紫外線、海水など普通の素材では劣化の原因に対して強い
軽さと、丈夫さをかね合わせた素材でパラシュートなのに使われている素材です。薄いからコンパクトに畳めて、引き裂き強度も高い素材です。
通常のナイロン素材と違うのは格子状に編みこまれた太い繊維と細い繊維の織物というところ
ポリエステルと柔軟性を比べても若干伸びる性能があるので着心地が非常に良いです。
ナイロンはもともと吸水性が高いので濡れると重い。乾かない。という欠点がありますが生地にメリハリを付けることによって必要な強度と濡れても乾きやすくなります。
個人的にオススメな特徴が
・【手触り】
新品時の柔らかな手触りが2年現地ダイビングインストラクターが数百本潜ったドライスーツを触ってみても生地の手触りと柔らかさが低下しません。
購入から時間がたっても商品の品質が保たれている証明になりますね。
ブルチゴム
T4シェルプライムの防水面、特殊な素材です。
合成樹脂の一種で特徴としては
- 空気不透過性が非常に高い(もちろん水も通さない)
- 合成樹脂なので非常に安定して耐候性に優れ強度が高い
- 高圧下の高濃度酸素でも酸化しにくい安定性
自転車のチューブに使われるような素材です。高圧下で衝撃があってもなかなかパンクしないから強度のすごさはうかがい知れますよね。
天候と酸素に強いのはダイビングに最適な素材です。
このブルチゴムはアメリカのDUIというテクニカルダイバーが好んで使う高級ドライスーツメーカー(1着40万円くらい)でも長年採用されている素材で耐久性への信頼度は高いです!
リップスナイロン加水分解?
リップスナイロンを調べると予測検索で
加水分解(かすいぶんかい)
いう単語が出てきます。
せっかく購入したドライスーツが分解?
気になる方もいると思うので追記します。
加水分解とは一定の条件化で長期間保存すると素材の劣化を招く現象で
一般的なアウトドア用の商品に用いられるリップスナイロンに施される防水コーティングに起こる現象のようです。
テントやタープなど使った後によく乾燥させないで畳んで仕舞うとシリコンコーティング、ポリウレタンコーティング部分が加水分解をおこして防水性能が落ちるというもの。高温多湿だと起こりやすいようです。
T4シェルプライムの防水面はコーティングではなくてブルチゴムなので加水分解の心配は無いと思います。YKKアクアシールファスナー
背中に配置されている防水ファスナー
樹脂タイプの防水ファスナーです。従来の金属性のファスナーと比べると
- 軽量
- 柔軟性
が非常によく耐久性も充分でドライスーツの寿命までがんばってくれると思います。
ここ数年のドライスーツのファスナーは樹脂ファスナーの比率が高く信頼性も安定しています。安心してご利用いただけるファスナーです。
樹脂コーティングというところで上記の加水分解が気になるところ。
調べてみると
「加水分解との兼ね合い、耐久性や防水性向上などを勘案し、耐水エステル系ポリウレタン材を採用」
加水分解の難敵水分につい良い耐水エステル系ポリウレタンという素材を使っているらしい。
ポリウレタン自体も耐水性が優れているのですが、そこにさらに耐水性の素材を追加してる感じですね。
ファスナーのエンドとスタートの部分には開きすぎ防止の補強がされている。
この補強があると樹脂ファスナーは長持ちになります。
お尻部分の補強
安心して使えます。細かいところにも気が利いている作りになっています。