ドライスーツ講習-ダイビング用-

伊豆でダイビングを続けていると、一年を通してダイビングが楽しめます。
・夏には水温が温かく潜りやすくクマノミなど人気なさかなが活発に動きます
・秋は透明度が良く、魚が多く水温も高い状態で安定します
・冬は透明度が一番綺麗で深海魚や南国の生物が一部見られる生物の幅が広がります
・春は深海魚といろいろな生物の産卵シーンや生まれたばかりの稚魚が沢山現れます

季節それぞれの魅力を確かめられるのが伊豆でのダイビングの醍醐味の一つになります。春や冬は水温が低下してくるので真夏の装備より温かい装備が必要になります。ドライスーツは低水温の時の選択肢の一つです。

このページではダイビング用のドライスーツの知識と使い方の予習復習が出来るようになっています。

ウエットスーツとドライスーツの違い

ウエットスーツとドライスーツの違いは簡単に言うと

・スーツ内に水が入ることを前提としたウエットスーツと
・スーツ内に水が入らないことを前提にしたのがドライスーツです

体が濡れないのでダイビング後の疲れが少ない。インナーの調節で低水温でも寒く無い、着替えが早いなどメリットがあります。汎用的なウエットスーツには無くて、ドライスーツには付いているものを見ていきましょう。

防水ファスナー

圧力差があっても水の侵入を許さないファスナーです。国内のドライスーツでは
・YKK社の#8番の防水ファスナー(金属ファスナー)
・YKK社のアクアシール(樹脂ファスナー)
が多く使用されています。

耐久性も向上し動きやすさ重視の樹脂ファスナーは近年多く採用されています。

ブーツ(ソックス)と本体の一体化

足部分と胴体を一体化することによって足首からの入水を防止しています。

足首に防水シールを付けて防水ファスナーなどを付けた物をセミドライスーツと呼びますが一般的にはセミドライスーツはウエットスーツのジャンルに入ります。

ドライスーツのブーツはネオプレン性の保温性のある専用ブーツで完全防水です。

ソックスタイプのドライスーツは基本的にオーバーブーツを履くことを前提にしていて足へのエアの供給を最小限にして足を浮きにくくする効果があります。また、ブーツの修理や交換が安価になります。

首、手首のシール

首、手首からの入水を防ぐため肌にピッタリくっ付いて水の侵入を防止します。素材は

  • ネオプレン:保温性がある、現場で自分で修理が可能。×ラテックスのものより水が入りやすい
  • ラテックス:防水性が高い、圧迫感が少ない。×現場修理が出来ない
  • シリコン:特性カフスを付けて脱着可能な首、手首のシール、圧迫感が少なく防水性が高い。×導入コストが+3万程度

それぞれ特徴があるので希望や使い方に合わせて選ぶと良いでしょう。担当するインストラクターとちゃんと打ち合わせが出来るとよいドライスーツになります。

吸気、排気バルブ

ドライスーツ内のスクイズを防止するための吸気バルブと浮上中ドライスーツ内の空気の膨張を調整するための排気バルブが付きます。

吸気バルブにはドライスーツ用の中圧ホースの装備が必要になります。ウエットスーツ時とレギュレーターの装備が変わります。シーズン初めにはドライスーツ用のホースがちゃんと付いているか?使用可能か確認が必要です。

メンテナンス不足の吸気バルブには稀にトラブルが起こる場合があります。
トラブル時にはドライスーツ用の中圧ホースを外すことでトラブルの回避ができます。ドライスーツ用の中圧ホースを外した場合、現在の水深より浅い所に向かえばドライスーツ内に吸気する必要が無いのでホースを外しても問題ありません。

排気バルブは潜降の時と浮上してくる途中にドライスーツ内の余分なエアを排気するために使います。
逆止弁構造で内側から外側への一方通行です。メンテナンス不足など問題ががあると水が逆流してくる場合もあります。定期的なメンテナンスが必要です。分解メンテナンスは非常に簡単な構造なのでユーザーでの対応も可能です。

リトルリッツではドライスーツ購入者を対象にメンテナンス講習を無料で開催しております。

ドライスーツの種類

ドライスーツの種類には大きく2種類・
・ネオプレン:保温性がある、動きが多少制限される
・シェル:動きやすさ重視、保温性が無い

ネオプレン製のドライスーツは現在一般的で伊豆で使用する場合インナーの量は何か一枚温かめのフリースを着れば充分温かさが保てる程スーツ自体に保温性があります。ウエットスーツと同じ様な生地を使うので水深が深くなると保温性がなくなり、浮力も小さくなります。
おススメネオプレン製ドライスーツ

シェルタイプのドライスーツは各メーカー、商品毎に生地に特徴があるので多様性が非常に多いのですが一様に動きやすさを求めているの生地は薄手です。保温力はほぼ無いのでドライスーツの中に動きやすい服を着て水温に対応します。中に着る服をインナーといいます。インナーについては別項目でご案内いたします。シェルタイプのドライスーツの多くは一般のドライスーツより耐久性のある生地を使っているのも特徴です。
おすすめシェルドライスーツ

どちらのタイプのドライスーツを選ぶのか?特徴がはっきり違うのでプロによく相談して希望を聞き出してもらって選ぶと自分好みのドライスーツに仕上げられます。

ドライスーツの使用方法

ダイビング前

ドライスーツの仕様は準備が大切です。事前の準備がしっかりしてないないと水中で思わぬトラブルや不都合に直面します。事前じゅびには慎重に、また始めてドライスーツを使用する場合は必ずドライスーツの講習を受ける必要があります。

ウエイト
ドライスーツの使用で重要になってくるウエイト。ウエットスーツの時より増えるのが一般的ですがインナーの量、使用するドライスーツの種類に寄って数キロの差異があります。事前の準備を間違えると潜降出来ない。重すぎて腰が痛い。などトラブルの原因となります。またバランスよくウエイトを配置しトリム(水中でのバランス)の取りやすいウエイト配置を見つけ出しましょう

インナー
ドライスーツの中に着こむ服です。基本は化繊の動きやすい服着用します。水温に合わせて着こむ量を調整することで低水温でも快適に潜れるようになります。詳しくは次項でご案内します。

ドライスーツを着る
首、手首のシール部分を適切に密着させます。レンタルのドライスーツで多少ゆるい場合はネックバンド、リストバンドを使用することで水没を防ぐことが出来ます。しかしサイズがゆるすぎると効果がありません。多少ゆるいものの場合にバンドは効果があります。
首が多少きつい場合は折り目を多く折り込むと首の苦しさが多少緩和します。苦しすぎるネックはサイズが合っていないので交換しましょう。
ドライファスナーを閉めます。インナーを挟み込まないように注意してください。特にファスナーエンド(ファスナーの閉まりきる最後部分)で服を巻き込むと大量水没します。ファスナーエンドの確認は着ている本人が目視で行ってください

ドライホースを装着
レギュレーターに増設した中圧ホースを装着します。装着後ドライスーツの吸気を行い吸気が出来れば装備が完全にできている状態です。中途半端な装備だと吸気が行えないようになっています。
ドライスーツの吸気ボタンのトラブルは吸気がされっぱなしになるということがまれに起こります。メンテナンス不足が原因です。吸気が止まらないときは、
1:吸気ボタンを引っ張り出す。
出来ないまたは吸気が止まらないば
2:ホースを抜いてしまえば吸気が止まります。

ダイビング中

潜降時ドライスーツの排気
ドライスーツを使用する場合BCの排気とドライスーツの排気の2つの作業が必要になります。
ドライスーツの排気はBCの排気より先に行います。(ここ大事です!)
ドライスーツは浮力体として扱いません。ドライスーツを浮力タイトして扱事はトラブルのもとになります。吸気しすぎれば首が苦しくなり、首のシールが外れ意図しないタイミングで排気されます。また排気スピードも遅いため急な対応が出来ません。あくまでも浮力確保はBCで行います。

ダイビング中のドライスーツの吸排気
ダイビング中はBCの浮力調整とドライスーツのスクイズ防止ために吸排気の作業があります。ドライスーツの吸排気で浮力が変化します。中性浮力を取る際に、ドライスーツの調整を先に行います。その後浮力が足りなければBCへ吸気して浮力のコントロールをします。
水深が浅くなる時も同様にドライスーツの調整を優先させます。これはトラブルの際に排気をしたくなってもドライスーツの排気スピードが遅いので予め調整しておいてトラブルの場合はBCの排気を行うことで急速に排気ができるので調整までに時間がかかりません。
水中ではドライスーツの調整を優先して吸排気。体りない分をBCで浮力の調整を行います。

浮上後のドライスーツの吸気
浮上後はドライスーツに多少の吸気を行うと動きやすくなります。
しかし浮上後はまず浮力の確保が基本になります。浮上後はドライスーツの吸気よりBCの吸気が優先されます。
潜降~ダイビング中~浮上後。ここまでの中で唯一BCの操作が優先される所になります。

ダイビング後

水洗いです。

詳しくは下記、毎回のメンテナンスを参照してください。

ドライスーツのインナー

ドライスーツの保温で一番大事なインナー選び。沢山着こめば確かに温かくなりますが、動きにくくなりウエイトも増えます。大事なのは効率よくインナーで体温の消失を防ぐ事です。

生理的な観点

ポイントは生命維持に必要なところを重点的に保温して温かく。関節部分は動きやすくして運動性能を損なわない。

体温は体の中心部分が一番高く手足に行けば行くほど下がります。表面温度で10以上の温度差があります。外気と温度差が大きいほど体温の放出が早まりますので温度の高い体のの中心を重点的に保温することです。

胴体周りは内臓が多くの血液が集まる部分です。また、足の付け根、首の太い血管が皮膚の表面に近い部分にあるのでここも重点的に温めると体温低下が防げます。

胴体周辺の保温には腹巻が最適です。通常のインナーに一個足すとウエイトが少なくても温かい効率的な保温になります。

インナーの素材

ドライスーツの中には汗をかきます。汗の水分は非常に熱伝導率が良いので体の近くに汗があると体温低下を招きます。汗は効率よく体から遠ざける事で汗により冷えが防ぐことができます。濡れた服を着ていると、何も着ていないより寒くなるコレは水分の熱伝導率が良く外気と体の熱の交換を効率よく行ってしまうためです。

かいた汗は素早く吸収発散させる素材がダイビング用のインナーとしては効果的です。ポリエステル繊維はスポーツ用に肌着として使われたりジャージやフリースといった通気性と保温性をあわせもつ素材でダイビングのインナーにも最適です。

また、ダビング専用として販売されている専用インナー様々な生地を使い1枚で温かいダイビングに最適な仕様になっています。

ドライスーツの付属装備

フード
頭からの体温の消失は体全体の20%程度と言われています。首元の太い血管の保温も出来るので非常に効率い冷水域ではマストアイテムになります。ネイプレーン素材でサイズを合わせるかオーダーで製作が出来ます。

グローブ
手は体から離れた部分なので保温にはそこまで重要では無いのですが神経が多く通っているので冷水では冷たく感じやすくなります。手の平の温度が下がりすぎると動かしにくくなるので冷水域では薄手でも冬用のダイビンググローブが必要になります。

アンクルウエイト
泳いでいるときに足が浮きすぎてしまう場合に使います。500g~1000gの重りを足に付ける器材です。

ウエイトベスト
ドライスーツはウエットスーツよりウエイト量が増えることが一般的で腰に付けるウエイトを肩や背中に分散させることで腰が楽になります。またトリム(水中でのバランス)を取るにも役に立つ器材です。

ステンレスバックプレート
ウエイトベストと同じように腰のウエイトを分散してくれます。良い点はBCのバックプレートなのでBCの重さがそのままウエイト代わりになるので別でウエイトベストを用意しなくても良く持ち歩く器材を減らせます。アルミのバックプレートと交換も出来るので夏のウエイトが必要ない時期にはBCの軽量化出来ます。

ゲーター
シェルドライスーツのオプション器材です。足に必要以上の空気が行かないように出来ます。

発熱ヒートベスト
スイッチ一つでカーボンファイバーが電気で発熱する、
専用バッテリーは水没しても漏電や感電しないようにできている水中用のヒートベストです。

ドライスーツバック
ドライスーツの運搬用のバック。ドライスーツの運搬の際に引っかけたり擦れたりを防ぐ単独でケースに入れて運搬します。器材やほかの物と一緒のバックに入れると当たりや尖った部分に接触してしまうリスクをなくします。大事なオプション品です。

ドライスーツのメンテナンス(毎回/定期的)

毎回のメンテナンス

表面の塩を流す
シャワーやお湯でスーツの表面の塩を洗い流します。水やお湯の桶に直接入るのが細部まで塩を流せます。エキジット後は毎回のメンテナンスとしてドライの表面の塩を洗い流してください。

防水ファスナーの水洗い
防水ファスナーはあまり高い温度のお湯は避けて水で塩を流してください。最近多い樹脂ファスナーは高温状態に強くないです。お風呂程度のお湯は大丈夫ですが、熱湯やストーブの熱風位の温度では樹脂ファスナーの性質を変化させてしまう可能性があります。ストーブの近くはドライスーツを脱いでごりようください。

バルブの水洗い
海水が残ると塩が結晶化して可動部分の動きを妨げる場合があります
バルブに水を通してバルブ内部の塩水も流します。この時オプションで付いている小さな排気バルブに強い水圧で水を掛けると逆流する場合もあります。小さなバルブの洗い方は優しく水を流してください。大きな排気バルブは丈夫なのでホースの流水でも大丈夫です。

ドライスーツの乾燥
ダイビング後のドライスーツの内部は汗をかいて高湿度状態です。水分は熱伝導率が良いため、ドライスーツ内が湿っていると2本目以降が寒く感じやすくなります。一本目が終わったら出来る範囲で裏返して内部を乾燥させると2本目以降のダイビングが温かくなります。特に足部分は吸排気でエアの動きが少ない部分なので蒸れ易く、ドライスーツを半分着た状態で動き回る場合もあるので汗をかきやすいポイントになります。良く乾かしてあげてください。

定期的なメンテナンス

ドライスーツ内側の水洗い。
個人差はありますがドライスーツの中は汗をかきます。たまには綺麗に洗って上げてください。雑菌の繁殖も防げて快適な環境になります。

排気バルブの分解清掃
ドライスーツのインナーから出た糸くず繊維くずが引っかかる場合があります。また塩水が残っていると結晶化してバルブ内の逆止弁をノリののように接着してしまったり、逆止弁に隙間を作ることがあります。排気バルブの分解清掃はとても簡単で工具を使わずに出来るものあります。吸気バルブは専門的な知識が必要になります。吸気が遅い、吸気が止まらないなどダイビング前のチェックで異変が有ったらインストラクターに相談してクリーニングをしてもらいましょう。

ドライスーツの修理

ピンホールの修理(ネオプレン)

ピンホールは針で際し多様な小さいな穴で見つけるのが困難な場合もあります。穴がどこに開いているか分かる場合は自分でも修理が可能です。ネオプレンドライスーツを購入したときについてくるスーツ用のボンドとパッチを使用してください。

ドライスーツの裏側からピンホールの開いている周辺半径5mm程度の裏生地を剝ぎ取ります。裏生地のみで本体防水面には傷を付けないように気を付けて作業してください。

裏生地を剥ぎ取った部分にパッチを当てて圧着させれば終了です。

ピンホールの修理(シェルドライ)

シェルドライのピンホールの場所が分かれば修理は簡単です。穴周辺を脱脂してから専用ボンドをちょっと垂らせば固まるのを待って修理終了です。

手首、首の修理

ネオプレンシールは多少の裂けは付属のスーツボンドで修理が可能です。

ラテックス、シリコンのシールは修復不可能なので交換となります。インストラクターに相談してメーカーに修理を依頼してください。

防水ファスナー、ブーツの修理

ユーザーでの修理は不可能です。メーカーに送り交換対応となります。防水ファスナー、ブーツは高価なので大切に取り扱いしてください。ファスナーは保存の時に必要以上に力がかからないようメーカー指定の保存方法を参照してください。ブーツは陸を長距離を歩かないようにすると長持ちします。

ドライスーツのまとめ

  • 伊豆では冬から初夏にかけて利用されるダイビングスーツ
  • 体が濡れないので低水温でも快適に活動できる
  • ドライスーツの利用には特別な手順やルールがあるので講習が必要